たとえば、本社はクラウド型の最新受発注システムを導入し、リアルタイムでの在庫確認やデータ分析が可能。
一方、地方の支店では、長年使い慣れたローカルの販売管理ソフトやExcel台帳で日々の業務を回している。
このような状況では、データの整合性を保つために情報システム部門が苦労するだけでなく、経営判断に必要な正確な情報がリアルタイムで得られないという問題も起こります。
現場のオペレーションも支店ごとに異なり、マニュアルの整備も追いつかない。
ECサイトと店舗の在庫が合わない、発送対応が遅れる、問い合わせに正確な回答ができない──
こうした問題は、結局のところ顧客満足度の低下や業務の非効率につながっていくのです。
本社と支店でシステムが異なる背景には、さまざまな事情があります。
導入時期の違いや、各拠点で独自に構築してきた経緯、現場の“慣れ”による抵抗感などが主な理由です。
また、過去の分権的な組織運営が、システム統一を難しくしているケースもあります。
特にECを含む業務においては、売上データ、在庫情報、顧客情報などの連携が不可欠でありながら、部門間の連携が不十分なために、個別最適の状態が放置されがちです。
システム移行にはコストもかかりますし、現場の混乱も避けられません。
こうした“目先の負担”を理由に、システム統一は「いつかやらなければならない課題」として後回しにされてきました。
しかし、今こそその“いつか”に踏み出すタイミングです。
DX(デジタルトランスフォーメーション)の加速、消費者の購買行動の変化、そして人材不足といった背景を踏まえると、業務の一体化とデータの統合は急務と言えます。
ECシステムを基盤に業務を統一することで、次のような効果が期待できます。
- 全チャネルでの在庫一元化により、過剰在庫や欠品リスクの低減
- 顧客データの統合管理により、パーソナライズされたマーケティングの実現
- 各拠点の業務標準化により、教育コストの削減と品質の均一化
- リアルタイムな経営判断を支えるデータ基盤の構築
また、業務プロセスをECシステムに合わせて再設計することにより、現場の業務も見直され、結果として「人に依存しない仕組みづくり」へとつながります。
これにより、担当者の退職や異動といった変化にも柔軟に対応できる体制が整います。
システム統一=システム刷新と捉えがちですが、実際には「業務の統一」こそが出発点です。
支店ごとの違いを洗い出し、どの業務が標準化可能かを精査したうえで、全社共通の業務プロセスを定義する。
そこに合致したECシステムを導入・設計するというプロセスが欠かせません。
また、現場の協力なくしては、システムの定着はありえません。
IT部門だけでなく、営業、販売、カスタマーサポートなど、関係するすべての部署と連携し、「何のために統一するのか」という目的を共有することが重要です。
最終的に、こうしたシステム統一は情報システム部門だけの問題ではなく、経営戦略の一環として位置付けるべきテーマです。
現場の抵抗やコストへの不安を乗り越え、統一を進めるには、経営者自身が明確なビジョンと強い意志を持ち、全社に対して発信し続ける必要があります。
ECシステムの統一は、ただのIT刷新ではありません。
それは、「組織のバラバラな足並みをそろえ、未来の競争力を高めるための投資」なのです。
今こそ、本社と支店の間にあるシステムの壁を取り払い、業務の一体化を実現する第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
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