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導入事例「ヤンマーパワーテクノロジー株式会社様」

ノーコードツールでAccess・Excel・紙での予算管理から脱却
アジャイル開発で現場の課題を素早くシステムへ反映
業務にフィットした予実管理システムで業務効率化を実現

ヤンマーパワーテクノロジー株式会社(以下、ヤンマーパワーテクノロジー)は、ヤンマーグループにおいて産業用ディーゼルエンジンの開発・製造を担っています。1933年には、世界で初めてディーゼルエンジンの小型実用化に成功し、以来、長年培った技術力を強みに、世界各国の厳しい環境規制に対応する高性能エンジンを開発し続けています。なかでも、滋賀県のびわ工場では2,000モデルを超える多品種混流生産を実現し、多様化する市場ニーズへ柔軟に対応しています。

今回取材をさせていただいた技術生産本部 開発部では、世界各国の規制への対応に加え、お客様のニーズに合わせた専用エンジンの研究開発を行っています。部門内では複数の研究開発プロジェクトが並行して進められており、中には数年にわたる長期プロジェクトも存在します。
そのため、開発部全体の試験研究費の予実管理に加え、プロジェクト単位での管理を正確に行うことが求められていました。しかし、従来の予実管理はAccess・Excel・紙運用を組み合わせた仕組みであったため、データ集計や申請業務に多くの工数を要していました。また、システム改修にも時間を要するなど、運用面での課題も顕在化していました。
こうした課題を解決するために同社は、「ノーコードWebアプリ開発ツール Forguncy」(以下、Forguncy)を活用した予実管理システムを構築し、予実管理業務の刷新に取り組みました。

トーテックアメニティ株式会社(以下、トーテック)は、Forguncyの構築パートナーとして、利用部門と密に連携しながら、複雑化していた予実管理業務の整理とデジタル化を推進し、予実管理業務全体の効率化と運用改善を支援しました。

ForguncyでどのようにAccess・Excel・紙中心の運用から脱却し、予実管理の効率化を実現したのでしょうか。導入の経緯と今後について、次の方々に伺いました。

<ヤンマーパワーテクノロジー株式会社>(発言順)
技術生産本部 開発部 エンジニアリング部 標準化グループ 中口健一 氏
技術生産本部 開発部 開発マネジメント部 技術管理グループ 河瀬磨美 氏
経営戦略部 経営企画部 DX推進室 西邑直樹 氏

<ヤンマーマリンインターナショナルアジア株式会社>
経営企画部 企画部 デジタル戦略グループ 課長 岸山悟 氏

<トーテックアメニティ株式会社>(発言順)
ソリューションビジネス本部 産業システム事業部 第3システム部第2グループ 主任 北川祥
ソリューションビジネス本部 産業システム事業部 西日本営業部 野中琢眞
ソリューションビジネス本部 産業システム事業部 西日本営業部 真鍋璃子

ヤンマーパワーテクノロジー株式会社
本社:大阪府大阪市北区茶屋町1-32 YANMAR FLYING-Y BUILDING
びわ工場:滋賀県長浜市川道町1009-2
設立:2020年4月1日
資本金:9,000万円
従業員数:1,954名 ※有期雇用者除く(2026/3/31現在)
事業内容:エンジンの開発・製造・販売・サービス
ヤンマーパワーテクノロジー株式会社のサイトはこちら

Access・Excel・紙運用による予実管理の限界

技術生産本部 開発部 エンジニアリング部 標準化グループ 中口健一 氏

「Access・Excel・紙・会計システム等、複数の仕組みが混在し、管理業務が複雑になっていました」

開発部では、以前から試験研究費の予実管理を行っていましたが、従来の運用はAccessとExcelを組み合わせたものでした。予算申請に関して、試験研究費はAccess、その他費用はExcelで管理し、実績データについては、会計システムから出力したExcelデータ・CSVデータと突き合わせながら集計を行っていたため、集計作業を行う技術管理グループの負荷が高くなっていました。

また、予算登録作業も大きな負担となっていました。年度初めには、各プロジェクトに対して予算を1件ずつ手入力しなければならず、プロジェクト数が多いため担当者には相応の工数が発生していました。また、入力ミスが発生しても確認が難しく、担当者の経験に依存する運用となっていました。
さらに、長年利用していた既存システムは開発担当者が不在となっており、システムの構造が十分に把握できない状態となっていました。軽微な改修であっても情報システムを担うグループ会社へ依頼する必要があり、現場で改善したいことがあっても迅速に対応できないことが課題となっていました。

ユーザー部門においても課題を抱えていました。予算申請は、紙の申請書を印刷し、承認印を受けながら回覧する運用が続いており、申請者・承認者双方に負担が発生していました。また、申請状況の確認にも手間がかかるなど、業務効率化の必要性を感じていました。

このように、予算登録、申請業務、システム運用の各面でさまざまな課題が顕在化していました。そこで、試験研究費をはじめとする各種費用を一元的に管理できる仕組みの構築を目指し、新たなシステムの検討を開始しました。

継続的な改善を見据えたシステム選定

ヤンマーマリンインターナショナルアジア株式会社
経営企画部 企画部 デジタル戦略グループ 課長 岸山悟 氏
(システム検討当時はヤンマーパワーテクノロジー株式会社に所属

「利用部門でも扱えることが大きな決め手でした」

システム検討当時、私はヤンマーパワーテクノロジーに所属しており、開発部と連携しながらノーコードツールの調査・選定を進めていました。

新システムの検討にあたり、開発部からは「予算・実績のリアルタイム集計」「決裁ワークフロー機能」「ユーザーフレンドリーなUI」「非エンジニアでも改修可能な仕組み」といった要望が挙がっていました。また、自身としては「直感的に分かりやすいノーコードツールであること」、「基幹システムのデータを参照できること」「実行環境がWebであること」も重要な選定条件としていました。そこで、これらの要件を満たすノーコード・ローコードツールを複数比較検討しました。

当初は別のノーコードツールも候補に挙がっていました。しかし、実際に検証を進めると、基幹システムとの連携、リアルタイムな集計処理など、私たちが求める要件を十分に満たすことが難しいことが分かりました。
また、私自身も他のノーコードツールを利用した経験がありましたが、アプリケーション開発にあたって、専門的な知識が求められる場面も多く、「これでは利用部門が主体となって活用・改善を続けていくのは難しいのではないか」と感じていました。

そのような中で出会ったのがForguncyです。Forguncyは、予実管理に必要な機能を備えているだけでなく、Excelライクな操作性を持っており、利用部門でも理解しやすい印象がありました。また、将来的な機能追加や業務改善にも柔軟に対応できることから、利用部門が主体となって継続的に業務改善を進めていくための基盤として適していると考えました。こうした理由から、Forguncyを採用しました。

利用者の声を反映したアジャイル開発で業務にフィットするシステムへ

技術生産本部 開発部 エンジニアリング部 標準化グループ 中口健一 氏

「完成イメージを細かく共有しながら開発を進められました」

システム構築においては、利用部門が主体となり、トーテックさんと連携しながらアジャイル型でプロジェクトを進めました。画面イメージをベースにプロトタイプを作成し、実際に確認しながら都度意見を共有して改善を繰り返すことで、業務にフィットしたシステムを形にしていきました。
システム構築に関わった部門は、システム開発の専門知識を持つメンバーばかりではなかったため、当初は「本当に思い描いたシステムを形にできるのだろうか」という不安もありました。しかし、システム開発の専門知識がなくても、業務担当者が日常業務の言葉で要望を伝えられたことや、その要望に対して実装してもらうというフェーズを繰り返すことで、細かく仕様を調整できたことは大きなメリットでした。結果として、利用者の意見を取り込みながら、完成度の高いシステムを構築することができました。

一方で、プロジェクトを振り返ると、開発の進め方についてもいくつかの気づきがありました。
例えば、開発中の画面やプロジェクトファイルを画面共有しながら、その場で修正内容を確認するような進め方ができていれば、よりスピーディに開発を進められた可能性があったのではないかと感じています。振り返ってみると、画面の表記や漢字の修正、ボタンの色といった細かな部分については、「このくらいなら問題ないか」と判断し、そのまま進めた場面もありました。そうした軽微な要望についても、開発のタイミングでもう少し積極的に伝えるなど、一緒に画面を見ながら調整しても良かったかもしれません。

しかし、結果として完成したシステムにはとても満足しています。利用部門とトーテックさんとで対話を重ねながら開発を進めたことで、実際の業務に合ったシステムを構築することができました。

アジャイル開発のイメージ

業務要件と使いやすさを両立したシステム構築

ソリューションビジネス本部 産業システム事業部 第3システム部第2グループ 主任 北川祥

「標準機能に当てはめるのではなく、運用に合わせることを意識しました」

先ほどお話しいただいたとおり、ヤンマーパワーテクノロジー様とはアジャイル開発でプロジェクトを進めました。細かく要件を整理していくことで、業務フローや運用ルールに対する理解も深まり、現場ならではの細かなご要望も把握することができました。
そうした要件を整理していく中で、単純にForguncyの標準機能を利用するだけでは実現できない要件も見えてきました。

代表的な例がワークフロー機能です。Forguncyは標準機能でも、条件に応じて申請を承認者へ回付する機能は備わっているため、当初はForguncy標準のワークフロー機能を活用する想定でした。
しかし、詳細な要件整理を進める中で、「差し戻しになった申請を再申請する際に過去のワークフローを活用したい」という要望が挙がってきました。
これらは、Forguncyの標準機能だけでは対応が難しい部分でもあったため、拡張機能を活用しながら開発を実施しました。標準機能の枠にとらわれず、開発部様の運用に合わせたワークフローを構築いたしました。

また、実績データを取り込む際のパフォーマンス改善も大きなテーマでした。今回、Forguncy構築したシステムでは、会計データをCSVファイルから取り込む仕組みを採用していますが、実際の運用データは件数が多く、当初の試作段階では処理完了まで非常に時間がかかるという課題が発生しました。処理中にブラウザの応答が停止してしまう場面もあり、実運用に耐えられる状態とは言えませんでした。
そこで、データ取込み処理そのものを見直し、パフォーマンス改善に取り組みました。実運用で十分な性能を発揮できるよう改善を重ねることで、安定した運用を実現しました。
利用者から見えない部分ではありますが、「業務要件を実現すること」と「実際にストレスなく利用できること」の両立に向けて技術的な工夫ができたのではないかと感じています。

予実管理の一元化で業務効率化を実現

技術生産本部 開発部 開発マネジメント部 技術管理グループ 河瀬磨美 氏

「必要な情報をすぐに確認できる環境が整いました」

Forguncyでの予実管理システムの構築後、最も大きく変わったのは予算管理を行う技術管理グループの業務です。技術管理グループにおいては、これまで手作業で行っていた集計業務や予算登録作業、データ修正作業の負担が大幅に軽減されました。

従来は予算や実績の情報が複数のツールに分散していたため、状況を把握するためには都度集計作業が必要でした。しかし現在は、予算・実績・残予算を一元管理できるようになり、必要な情報をリアルタイムに把握できる環境が整いました。
また、年度初めの予算登録についても、従来は案件ごとに入力が必要でしたが、現在はExcelファイルからの一括取込みに対応しています。登録作業にかかる時間を削減できるだけでなく、入力ミスの防止にもつながっています。
さらに、予算の申請フローを電子化したことで、申請状況の見える化も実現しました。現在は承認状況をシステム上で確認できるほか、過去の申請履歴も容易に検索できるようになっています。ワークフローについて、現場の運用に合わせて構築いただいたことで、利用者にとって使いやすく、業務に定着するシステムを実現することができました。

技術管理グループにとっては、単なる業務効率化だけでなく、「正確な情報をその場ですぐに把握できる環境」が実現できたことが大きな成果となっています。

実際のアプリ活用の様子

「ユーザー目線で改善されたことで使いやすいシステムになりました」

また、ユーザー部門でも大きな効果がありました。これまで紙で行っていた予算申請は電子化され、申請から承認までをシステム上で完結できるようになりました。紙の申請書を印刷して押印・回覧する必要がなくなったことで、申請者・承認者双方の負担が軽減されています。
操作性についても、ユーザーインターフェースが改善されたことで直感的な入力が可能となりました。導入後に実施したシステム利用者向けの社内アンケートでは、操作性の向上や作業手順の分かりやすさ、レスポンス速度の改善などについて、多くの利用者から好意的な評価が寄せられました。

また、開発段階だけでなく、実際に利用を開始してから見えてくる課題や改善要望も多くありました。そのため、運用開始後も利用者からの要望を取り入れながら継続的な改善を行っています。
その一例が過去案件のコピー機能です。類似した内容の申請を行う際、過去の申請内容を活用できるようにトーテックさんに機能を追加いただきました。コピー機能が実装されたことで、入力の手間を削減し、利用者の負担軽減につながっています。
このように、利用者の声を反映しながら機能改善を続けてきたことで、実際の業務に即したシステムへと成長してきました。管理部門への問い合わせ件数も減少しており、利用者にとって使いやすいシステムとして定着しています。

新システム導入では現場から不満の声が出ることも少なくありません。しかし今回の予実管理システムについては、利用者の業務負荷軽減と利便性向上を実感しています。

更なる業務改善に向けて

経営戦略部 経営企画部 DX推進室 西邑直樹 氏

「Forguncyをもっと知ってもらいたいと感じています」

現在、ヤンマーパワーテクノロジーでは、Forguncyを活用した業務改善活動が各部門へ広がっています。開発部だけでなく、他部門や工場業務への展開も進んでおり、業務課題に応じたデジタルツール活用の文化が広がりつつあります。
一方で、さらなる活用拡大に向けて、製品そのものの認知度向上や情報発信にも期待しています。実際に利用してみると、Forguncyはさまざまな業務改善に活用できる可能性を持った製品だと思います。一方で、製品自体や開発元であるメシウスの認知度はまだ十分とは言えないのではないかと感じています。
また、ユーザー同士が知見を共有できるコミュニティや、活用事例を学べる場の重要性も感じています。社内でも実際にForguncyのハンズオンセミナーを実施し、現場での活用推進にも取り組んでいますが、ユーザー同士で情報交換できるコミュニティや活用事例の発信がさらに充実すれば、新たなアイデアや活用方法が生まれ、より大きな価値につながるのではないかと期待しています。そういった部分もぜひトーテックさんにお願いしたいですね。

◎Forguncy活用法紹介はこちらから

ヤンマーマリンインターナショナルアジア株式会社
経営企画部 企画部 デジタル戦略グループ 課長 岸山悟 氏

「今回の取り組みをグループ全体へ広げていきたい」

今回、Forguncyで構築したシステムの仕組みやノウハウは、他の業務にも応用できると考えています。ヤンマーグループ内には、共通する業務や類似の課題を抱える部門も多く存在しており、今回の取り組みで得られた知見を横展開できる可能性があります。
実際に、予実管理システムの導入をきっかけとして、他部門でもForguncyの活用が進み始めています。それぞれの部門が抱える業務課題に対してForguncyを活用したアプリケーション開発が行われており、現場主導での業務改善が広がりつつあります。

このように、一つのシステム導入が単独の改善に留まるのではなく、他部門の課題解決や新たなアプリケーション開発につながっていることは大きな成果だと感じています。
今後はグループ内で事例やノウハウを共有しながら、業務改善の取り組みをさらに広げていきたいと考えています。

今後、業務アプリケーション開発や、ノーコードツール導入に迷っている方に向けたアドバイスがありましたら、お聞かせください。

技術生産本部 開発部 エンジニアリング部 標準化グループ 中口健一 氏

「システム開発の知識がなくても、一歩踏み出せると思います」

先ほども申し上げた通り、プロジェクトが始まる前は「本当にできるのだろうか」という不安がありました。しかし、実際はトーテックさんのサポートもあり、想像していたよりも安心して進めることができたと感じています。
特に今回のようなアジャイル型の進め方であれば、途中で方向性を確認しながら進められるため、「完成してみたら思っていたものと違った」というような大きな失敗や手戻りは起こりにくいのではないかと思います。

システム化を検討されている方の中には、不安を感じる方もいるかもしれませんが、必要以上に不安がることはないと思います。技術的な知識がないことを理由に諦めるのではなく、まずは実現したいことや改善したいことを相談してみてほしいです。

ソリューションビジネス本部 産業システム事業部 西日本営業部 野中琢眞

「システム導入だけでなく、その後を見据えた支援を行っていきます」

今回構築した「予実管理システム」をきっかけに、ヤンマーパワーテクノロジー様では各部門でForguncyをご活用いただいています。当社としても、単にライセンスをご提供するだけでなく、お客様の業務課題解決や活用定着までご支援することが重要だと考えています。
今後は各部署様の業務課題に寄り添いながら、Forguncyの活用拡大を支援するとともに、当社の強みであるSEによる支援体制を活かし、システム導入から運用、改善まで一貫してサポートしてまいります。ヤンマーパワーテクノロジー様の継続的な業務改革に貢献できるパートナーであり続けたいと考えています。

ソリューションビジネス本部 産業システム事業部 西日本営業部 真鍋璃子

「業務改善の輪を広げるパートナーであり続けたいです」

今回の取材では、Forguncyの活用による業務改善効果だけでなく、「もっと活用のヒントが欲しい」「ユーザー同士で情報交換できる場があると良い」といった貴重なご意見もいただきました。
私たちも、システムを導入して終わりではなく、お客様がForguncyをより活用し、継続的に成果を創出できるよう運用面でのご支援に力を入れていきたいと考えています。今後は業務改革の推進や、ヤンマーグループ様全体でのDX推進にも貢献できるよう、引き続きご支援してまいりたいと思います。

取材日:2026年6月24日
記載の担当部署は、取材時の組織名です。

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