連載テーマ 「Accel-Mart Quick導入を成功させるための実践」
- Accel-Mart Quick導入でよくある失敗パターン
業務効率化やDX推進の一環として、ワークフローシステムや業務アプリの導入に取り組む企業が増えています。しかし、ツールを導入するだけで業務改善が実現するわけではありません。
実際には、導入目的が明確になっていなかったり、現場への定着を十分に考慮せずに進めてしまったりすることで、期待した効果を得られないケースも少なくありません。
Accel-Mart Quickの導入においても、事前の計画や運用設計が不十分な場合、プロジェクトが停滞したり、活用が進まなかったりする可能性があります。
本シリーズでは、「SaaS型 業務改善プラットフォームAccel-Mart Quick(アクセルマートクイック) 導入を成功させるための実践」をテーマに、全2回にわたって導入プロジェクトを成功へ導くポイントをご紹介します。
第1回:Accel-Mart Quick導入でよくある失敗パターン
第2回:スモールスタートで成果を出すAccel-Mart Quickの活用方法
第1回となる本記事では、Accel-Mart Quick導入時によく見られる失敗パターンを3つ取り上げ、プロジェクトが思うように進まなくなる原因について解説します。
SaaS型業務改善プラットフォーム「Accel-Mart Quick」の概要資料はこちらからダウンロード頂けます
失敗パターン①
すべての要望を最初から実現しようとしたケース
背景
ある企業では、紙やExcelで運用していた申請業務の電子化を目的としてAccel-Mart Quickの導入を検討していました。
当初は特定の申請業務のみを対象に、小規模なシステム化を想定していました。
しかし検討を進める中で、
- 「どうせシステム化するなら他の申請業務も対象にしたい」
- 「今後利用する可能性のある機能もあらかじめ実装しておきたい」
- 「各部門から要望が出ているため、この機会に反映したい」
といった意見が次々に挙がりました。
発生した課題
その結果
- 要件整理に多くの時間を要した
- 要件追加に伴い開発規模が拡大した
- 当初予定していたリリース時期が不透明になった
などの課題が発生しました。
また、検討期間の長期化によって現場の業務フローや運用ルールも変化し、要件の見直しが発生したことで、プロジェクト全体の長期化を招きました。

ポイント
今回のケースでは、導入当初の対象範囲を超えて、要望を次々に取り込んだことで、要件が肥大化し、プロジェクトの長期化につながりました。Accel-Mart Quickは短期間で業務アプリを構築できることが特長ですが、その特長を活かすためには、最初からすべての要望を実現しようとするのではなく、まずは必要最小限の範囲から始める「スモールスタート」が重要です。
まずは業務上の課題が大きい部分に対象を絞って早期にリリースし、利用者の声や運用実績を踏まえながら段階的に機能を拡張していくことで、短期間で成果を実感しやすくなります。
失敗パターン②
各部門が個別にアプリを作成したケース
背景
ある企業では、現場主導による業務改善を推進するため、ノーコード/ローコードツールを導入しました。
「現場の課題は現場で解決する」という方針のもと、各部門が自由にアプリを作成できる環境を整備し、申請業務や顧客管理、案件管理など、さまざまな業務のデジタル化を進めていました。
しかし運用ルールや管理方針を十分に定めないまま導入を進めた結果、
- 営業部が独自の顧客管理アプリを作成した
- 総務部が別の顧客管理アプリを作成した
- 各部門で異なるマスタ情報を管理し始めた
など、同じ目的のアプリが複数作成される状況となりました。
発生した課題
その結果、
- 同じ情報が複数のアプリで管理されるようになった
- 部門ごとにデータの内容が異なり整合性が取れなくなった
- 全社的な集計や分析が困難になった
などの課題が発生しました。
また、アプリ作成者以外は構成や仕様を把握しておらず、担当者の異動や退職時に運用・保守ができなくなるケースも見られました。

ポイント
今回のケースでは、現場主導による業務改善を推進した一方で、アプリ作成やデータ管理に関するルールが整備されていなかったため、同じ目的のアプリやデータが部門ごとに分散してしまいました。
Accel-Mart Quickは現場主導で迅速に業務改善を進められる反面、ルールを定めずに運用するとアプリやデータが部門ごとに乱立し、管理負荷の増加やデータ不整合につながる可能性があります。
そのため、
- 共通マスタの管理方針を定める
- アプリ作成時の標準ルールを整備する
- 全社的な管理部門を設ける
失敗パターン③
権限管理を考慮せずに運用を開始したケース
背景
ある企業では、紙やメールで行っていた申請業務を効率化するため、ノーコード/ローコードツールで業務アプリを構築しました。
短期間でアプリを公開できたことから、次々と利用部門を拡大していきました。
しかし、早期展開を優先した結果、
- 利用者ごとの閲覧権限を細かく設定していなかった
- アプリ作成者に管理者権限を付与したまま運用していた
- 定期的な権限見直しを実施していなかった
といった状況が発生していました。
発生した課題
その結果、
- 本来閲覧できない情報が他部門から参照可能になっていた
- 異動や退職後もアカウントが残り続けていた
- 誰がどのデータにアクセスできるのか把握できなくなった
などの課題が発生しました。
特に個人情報や機密情報を含むアプリでは、情報漏えいリスクが顕在化し、運用ルールの見直しを余儀なくされました。

ポイント
今回のケースでは、早期展開を優先したことで権限管理の設計や運用ルールの整備が後回しとなり、情報管理上のリスクが発生しました
Accel-Mart Quickは簡単にアプリを作成できますが、業務システムとして利用する以上はセキュリティや権限管理をあらかじめ検討しておくことが重要です。
導入時には、
- 利用者ごとの権限設計を行う
- 定期的な権限棚卸しを実施する
- アプリ作成・公開ルールを整備する
といったガバナンスとセキュリティ運用をあわせて検討することで情報漏えいリスクを抑えながら安心して運用できる環境を構築できます。
まとめ
Accel-Mart Quick(アクセルマートクイック)をはじめとするノーコード/ローコードツールの最大の魅力は、従来のシステム開発と比較して短期間・低コストで業務改善を始められることにあります。
その特長を活かすためには、まずは小さな課題から取り組む「スモールスタート」が非常に有効なアプローチです。
一方で、導入のハードルが低いからこそ、現場だけで開発を進めると思わぬ課題が発生することがあります。
また、本当に使いやすく、継続的に活用されるシステムを構築するためには、業務を最も理解している現場担当者と、システム設計やデータ管理に関する知識を持つ開発担当者が連携することが重要です。
そのためには、現場主体で改善を進めるだけでなく、システム設計やガバナンスを支援できるIT人材の存在が欠かせません。現場の業務理解とITの専門知識、この両者を組み合わせることで、はじめて「使われ続けるシステム」を実現できるのです。
次回予告
次回は、
「スモールスタートで成果を出すAccel-Mart Quickの活用方法」をテーマに、
- 最初に選ぶべき業務
- PoCの進め方
- 1〜2か月で成果を出すためのポイント
についてご紹介いたします。
| 筆者 一之瀬 魁人(ICHINOSE KAITO) 経歴: 公共システムの導入からECサイト開発まで、幅広い業務に携わる3年目のシステムエンジニア。 公共分野の健康管理システム導入プロジェクトでは、要件定義からリリースまでの一連の工程を経験。 現在はAccel-Mart Quickを活用し、お客様の業務改善やDX推進支援に取り組んでいる。 |

SaaS型業務改善プラットフォーム
『Accel-Mart Quick』基本ガイドブック



