データ活用が重要だと分かっていても、
- 現場は紙やExcel中心
- システム同士がつながらない
- 社外とのデータ連携は属人化
といった課題を抱える企業は少なくありません。
本シリーズでは、「製造業のためのデータ連携入門|現場〜企業間まで段階解説」をテーマに、データが生まれる現場から、社内・社外連携、そしてSCM最適化までを5つのステップで解説します。
連載テーマ 「製造業のためのデータ連携入門」
- 製造業の現場はなぜデータがつながらないのか?|紙・Excel管理の限界と解決策
- そのExcel、本当に必要ですか?|手作業のデータ連携が生む非効率を解消する方法
前回の記事では、紙やExcelによる現場管理が、リアルタイムな情報共有や迅速な意思決定を妨げる要因になっていることをご紹介しました。
現場データをデジタル化することで、進捗や実績をリアルタイムで把握できるようになります。
しかし、実は多くの企業が次の壁に直面します。
それは、「データは見えるようになったのに、業務は変わらない」という課題です。
なぜこのようなことが起こるのでしょうか。
Excelが“連携ツール”になっていませんか?
製造業では今もなお、Excelがデータ連携の中心になっているケースが少なくありません。
- 生産実績をCSV出力
- Excelで加工
- メールで送付
- 別システムに取り込み
それぞれのシステムには必要なデータが存在しています。
本来はシステム同士で連携できるはずの業務でも、人が間に入ることで運用が成り立っている企業は少なくありません。
よくあるExcel連携の実態
例えば、生産実績を管理するケースを考えてみましょう。
現場で入力された実績データは、
- システムからCSV出力
- Excelで加工
- 別システムへ再登録
- 管理資料として集計
という流れで処理されることがあります。
この運用では、
- 転記ミス
- 加工ミス
- 作業漏れ
- 属人化
などのリスクが発生します。
さらに担当者が不在の場合、業務そのものが止まってしまうこともあるうえ、
1日15分のExcel加工でも、15分 × 20営業日 × 12か月=年間60時間 費やしている計算になります。
この作業が複数部署で発生していると、想像以上の工数が失われています。
本当に必要なのは「入力作業」ではなく「データ連携」
ここで考えたいのは、「なぜExcelで加工しなければならないのか」という点です。
多くの場合、システム同士が直接連携できないため、人が間に入ってデータを受け渡しています。
つまり、人がシステムの代わりをしている状態になっているのです。
本来は、現場入力 ⇒ 生産管理 ⇒ 在庫管理 ⇒ 分析・活用 という形で、データが自動的に流れることが理想です。
必要なのは、Excelによる受け渡しではなく、システム同士が連携する仕組みです。
データ連携によって変わること
データ連携の仕組みを導入することで、以下のような改善が期待できます。
● 作業時間の削減
CSV出力や手動加工が不要になります。
● ミスの削減
転記やコピー&ペーストによるヒューマンエラーを防止できます。
● 属人化の解消
担当者しか分からない運用を減らすことができます。
● リアルタイムな情報共有
常に最新データを参照できるようになります。
データ連携を支える仕組み

こうこうしたシステム間連携を実現するためには、データの受け渡しを自動化する仕組みが必要になります。
システムごとにデータ形式や管理方法が異なるため、人手による加工や転記で対応し続けるには限界があります。
そこで活用されるのが、データ連携基盤です。
例えば代表的なツールのひとつである、「ASTERIA Warp」では、
- システム間データ連携
- CSV連携の自動化
- フォーマット変換
- 定期実行
などをノーコードで構築することができます。
その結果、これまで担当者が行っていたCSV出力やExcel加工、再入力といった作業を削減し、業務全体の効率化につなげることが可能になります。
しかし、ここで忘れてはいけないことがあります。重要なのは、データを移動させることではありません。
本当に価値があるのは、生産管理や在庫管理、販売管理など、それぞれ独立していた業務がデータによってスムーズにつながることです。
つまり、連携ツールはあくまで手段であり、業務そのものをつなぐことこそが、本来の目的なのです。
“つながる業務”への次のステップ
現場データがデジタル化され、システム間の連携も実現すると、業務効率は大きく向上します。
しかし、もうひとつ課題があります。
それが、社外とのデータ連携です。
取引先とのやり取りでは、今でもCSVやExcelをメールで送信しているケースが多く残っています。
社内は自動化できていても、社外へのデータ受け渡しが手作業のままでは、本当の意味で業務はつながりません。
データ連携は特別なことではない
「システム連携」と聞くと、大がかりな開発や専門知識が必要だと思われがちです。
しかし近年は、ノーコードで構築できる連携ツールも増えており、Excel運用の見直しから始める企業も少なくありません。
重要なのは、すべてを一度に変えることではなく、工数がかかっている業務やミスが発生しやすい業務から改善していくことです。
まとめ
データが活用されない原因は、データが存在しないからではありません。
多くの場合、「データが分断されていること」が原因です。
Excelによる受け渡しや手作業による加工を見直し、システム同士が自動で連携する仕組みを整えることで、業務全体の効率化とリアルタイムな情報活用が可能になります。
“つながる業務”を実現するためには、現場のデジタル化と同じくらい、データ連携の仕組みづくりが重要なのです。
次回は、「そのCSV送信、本当に安全ですか?」をテーマに、社内のデータ連携が実現したその先で見えてくる、社外連携のリスクと解決策について解説します。

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