生産計画・作業指示の見える化による業務効率化―Asprova×MotionBoardで叶える製造現場のDX―

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製造業において、生産計画と作業指示は生産活動の根幹を支える重要な業務です。
これらの情報が正確かつリアルタイムに管理されることで、計画の精度が向上し、無駄のない生産体制の構築が可能となります。
本記事では、生産スケジューラ(※生産計画システム)「Asprova(アスプローバ)」とBIツール「MotionBoard(モーションボード)」を活用した生産計画・作業指示の仕組みについて、詳しく解説します。

生産スケジューラAsprova(アスプローバ)に関する資料をダウンロードできます
BIダッシュボードMotionBoard(モーションボード)に関する資料をダウンロードできます

目次

  1. 手作業による生産計画・作業指示の課題
  2. Asprova(アスプローバ)による生産計画と作業指示の標準化
  3. MotionBoard(モーションボード)への作業指示データ連携と可視化
  4. MotionBoard(モーションボード)による現場支援と意思決定の高速化
  5. 導入事例と効果
  6. まとめ

手作業による生産計画・作業指示の課題

Excelやホワイトボードによる手作業での生産計画・作業指示の管理は、今なお多くの製造現場で行われていますが、これらの方法は業務運営においてさまざまな課題を引き起こす要因となります。
例えば、生産計画が属人化し、かつ手動で運用されることで、計画内容に重複や矛盾が発生しやすく、誤った指示による作業ミスのリスクが高まります。
また、リアルタイムでの情報共有が困難であるため、進捗状況の把握が遅れ、現場との連携に支障をきたす可能性があります。
これらの問題を解決するためには、業務のシステム化によって情報の一元管理・リアルタイム共有などを実現し、業務の効率化と品質向上を図ることが重要です。

 問題カテゴリ  内容  引き起こされる影響・リスク
 情報の一貫性・正確性 ・Excelやホワイトボードでは
 情報の更新が手動
・情報の重複・矛盾が発生
・誤った指示による作業ミス
 リアルタイム性 ・更新がリアルタイムで共有
 されない
・作業者が古い情報で作業を進める
・進捗の把握が遅れる
 履歴管理・トレーサビリティ ・過去の変更履歴が残りにくい ・原因追跡が困難
・品質管理・監査対応が不十分
 共有性・アクセス性 ・ホワイトボードで管理を行って
 いる場合、現地にいないと
 閲覧できない
・リモートや他拠点との連携が困難
・情報伝達の遅延
 作業効率 ・手書きや手動入力が多く
 転記ミスが起こりやすい
・作業時間の増加
・人的ミスによる再作業
 セキュリティ・情報漏洩 ・Excelファイルの管理が
 個人任せになっている
・管理情報がホワイトボード上で
 誰でも確認できる状態に
 なっている
・機密情報の漏洩リスク
・アクセス制限が不十分
 属人化 ・特定の人しか管理・更新できない ・担当者不在時に対応不可
・引き継ぎが困難
 拡張性・連携性 ・他システムとの連携が困難
 (例:勤怠・工程管理)
・業務全体の最適化ができない
・データ活用が限定的


表1 生産計画・生産指示がシステム化されていないことで起こるリスク・影響

Asprova(アスプローバ)による生産計画と作業指示の標準化

Asprova(アスプローバ)は高性能な生産スケジューラであり、製品の納期、設備の稼働状況、作業者のスキルなど多様な要素を加味した生産計画を詳細に立てることができます。
作成した計画は、工程ごとの作業指示として出力されます。作業指示には、作業内容、開始・終了予定時刻、使用設備、必要資材、作業者などの情報が含まれており、現場担当者が迷うことなく作業を進めるための指針となります。

MotionBoard(モーションボード)への作業指示データ連携と可視化

Asprovaで作成された作業指示データは、MotionBoardに連携することでリアルタイムで可視化されます。MotionBoardは、Asprovaから連携したデータをもとに、ダッシュボード上で作業指示の進捗状況や負荷状況を直感的に表示します。
例えば、作業指示のガントチャート表示することで、各工程の進捗を一目で把握できるほか、作業者別・設備別の負荷状況もグラフで視覚的に確認できます。
これにより、現場の誰もが最新の作業指示と進捗状況を即座に確認できる環境が整い、生産調整・残業調整やトラブル対応のスピードが飛躍的に向上します。

図1 MotionBoardによる稼働状況の見える化

MotionBoard(モーションボード)による現場支援と意思決定の高速化

MotionBoardは、製造現場に点在するデータを集約し、意思決定を支援するBIツールとして、Asprovaをはじめ、実績収集システム・基幹システムとのデータ連携により、その真価を発揮します。
生産計画と実績データを統合的に可視化することで、現場管理者は状況を俯瞰的に把握できるようになり、問題の早期発見と対応が可能になります。
さらに、過去の実績データを分析することで、計画と実績の比較、生産目標の達成率の確認、ボトルネックの特定や改善施策の立案にも活用できます。

図2 MotionBoardによる予実の見える化

導入事例と効果

ある企業では、AsprovaMotionBoardを連携により、作業指示の発行から実績収集、リスケジュールまでを一元管理できるようになりました。その結果、以下が効果としてあげられます。

・作業指示の伝達ミスが減少
・現場の生産性が20%以上向上
・現場の負荷状況をリアルタイムで把握
・作業者配置・設備稼働の最適化を実現

MotionBoardによる工場の可視化により、現場の状況把握と対応力が大幅に向上しました。


図3 AsprovaとMotionBoardの連携による導入効果

まとめ

Asprovaによる作業指示・実績収集の仕組みは、現場の効率化と計画精度の向上に大きく貢献します。
さらに、MotionBoardとの連携により、作業指示の可視化と実績データの活用が可能となり、変化に強い生産体制を構築することができます。
今後の製造業においては、こうしたシステム連携によるデータ活用がますます重要となると考えられます。
AsprovaMotionBoardの組み合わせは、その先進的な取り組みの一例として、多くの企業が抱える課題の解決に向けた有力な糸口となるでしょう。

筆者
プロフィール

松野 隼弥 Takaya Matsuno
経歴:
2015年からAsprova導入エンジニアとしてのキャリアをスタートし、  2018年にはシニアAPT認定を取得。以降はプロジェクトリーダーとして、Asprovaの導入支援を行う。
スケジューラの導入に加え、計画に対する実績収集や、計画と実績の“見える化”の仕組みも導入。  
その経験を活かし、Asprova PlusやMotionBoardを活用した工程分析モデルの企画・立案にも取り組む。
また、最新の自動計画立案機能「Solver」については、立ち上げ当初の2021年からPoC(概念検証)に参加。
現在はAsprovaの導入を中心とした十数名のエンジニアグループで、グループリーダーを務めており、プロジェクトの責任者・アドバイザーとして案件に参画。
『今後も導入経験を活かした記事を発信していきますので、ぜひご覧ください。』

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