連載テーマ「生産スケジューラのプラグイン事例」
本ブログでは、生産計画システム(生産スケジューラ)のプラグイン事例を多数紹介いたします。
具体的には、毎回、実現したい計画ロジックを設定し、生産スケジューラの標準的な計画ロジックとのギャップを示しながら、どのようにプラグインを実装したのかを解説いたします。
なお、生産スケジューラの計画ロジックは、筆者が熟知しております「生産スケジューラAsprova」のものを引用いたします。
プラグインとは・・・
ソフトフェアの機能を拡張するプログラムの事です。
ソフトフェアに用意されている差込口に、個別開発したプログラムを差し込んで機能拡張します。
ソフトウェアのプログラムを直接変更する「カスタマイズ」と比べて、制限を受けずに機能を拡張できます。
生産スケジューラ(生産計画システム)に関する資料をダウンロードできます
加工後の品質検査で不良となったモノは、廃棄されます。
ただし、一度不良となっても、手直しすれば良品にできる場合があります。
また、同じ品目には手直しできないものの、手直しすれば他の品目に転用できる場合があります。
一般的な生産スケジューラでは、不良が発生する事を加味して製造数量を計算できます。 具体的には、品目ごとに直行率・手直し率・転用率を設定します。
手直しや転用にかかる時間が長い場合、これでは不都合があります。
手直しして良品となるA(2個)と、転用するB(1個)が、加工・検査が完了した直後に在庫になってしまっています。
手直しや転用にかかる時間を加味して、在庫になるタイミングを計算するロジックを実装しました。
この例では、手直しして良品となるA(2個)は、加工・検査が完了した2日後に在庫になります。
また、転用するB(1個)は、加工・検査が完了した翌日に在庫になります。
なお、手直しの方法が複数ある場合は、その方法ごとに異なる時間を設定することもできます。
手直し・転用にかかる時間を加味するプラグイン事例を紹介いたしました。
この様に計画すると、手直しや転用を経由する在庫を、在庫になるタイミングを加味した上で、余りなく引き落とせます。
筆者
プロフィール
岩島 健裕 Takehiro Iwashima
経歴:
新卒入社後、販売管理システム導入支援(プログラマ)を2年間経験する。
その後、10年以上に渡り、生産スケジューラの導入支援に携わる。現在は、導入プロジェクトのリーダーとして、ユーザと実装メンバーを繋ぐ役割を担う。
得意技は、生産スケジューラの標準機能では実装できないスケジューリング要件への対応(プラグイン)。
設計に留まらず、時にはプログラミングも担当する。
生産スケジューラ『Asprova』
基本ガイドブック
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