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ノーコードWebアプリ開発ツールForguncy導入事例「日本ゼオン株式会社様」

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ノーコードWebアプリ開発ツールForguncy導入事例「日本ゼオン株式会社様」

紙とExcelに埋もれていたデータをForguncyでデータベース化
マテリアルズ・インフォマティクスなどにより、データを活用した業務の高度化・自動化を推進
将来のDX化を進める人材育成のトリガーに

化学メーカーでは、新しい材料を開発する際に、研究者の知識と経験に基づいて材料候補の選定、シミュレーション、試作、評価を行っていましたが、近年はマテリアルズ・インフォマティクスが発展し、材料科学データベースとAIを使って材料候補の選定と材料特性のシミュレーションを行うことで実験の回数を減らし、材料開発を大幅に加速することを実現しています。

自動車用タイヤなどの合成ゴムや高機能樹脂の製造・開発を中心に事業を行う日本ゼオン株式会社(以下、日本ゼオン)では、マテリアルズ・インフォマティクスをきっかけとして、それまで管理できていなかったデータをデータベース化する取り組みを始めました。バラバラな方法で保管されていたデータを入力するツールとして選ばれたのが「ノーコードWebアプリ開発ツールForguncy」(以下、Forguncy)です。製造業へのForguncy導入支援の経験が豊富な当社(トーテックアメニティ株式会社。以下、トーテック)へ依頼。日本ゼオン株式会社様と当社は、現場の教育、Webアプリ開発、技術支援を行い、データベース化を推進しました。

Forguncyを導入し、社内に普及させた経緯を次の方々に伺いました。

<日本ゼオン株式会社>(発言順)
・管理本部 デジタル統括推進部門 部門長 長谷部宏氏
・管理本部 デジタル統括推進部門 デジタル戦略企画部 ビジネスクリエーショングループ グループ長 追中千晶氏
・管理本部 デジタル統括推進部門 デジタル戦略企画部 ビジネスクリエーショングループ 渡聡史氏
・管理本部 デジタル統括推進部門 デジタル戦略企画部 ビジネスマネジメントグループ 山野寛子氏
・管理本部 デジタル統括推進部門 デジタル戦略企画部 ビジネスマネジメントグループ 兼 高機能事業本部
高機能事業DX企画推進室 細井悠貴氏
・管理本部 デジタル統括推進部門 アジャイル開発推進室 細井あや氏

<トーテックアメニティ>(発言順)
・産業システム事業部 西日本システム部 部長 西村幸夫
・産業システム事業部 西日本システム部 第1グループ 三澤行輝
・産業システム事業部 首都圏営業部 風間淳

日本ゼオン株式会社様

日本ゼオン株式会社
本社:東京都千代田区丸の内1-6-2
新丸の内センタービル
設立:1950年4月
資本金:242億11百万円(2023年3月末)
従業員数:連結4,293名、単体 : 2,370名(2023年3月末)
事業内容:合成ゴム、高機能材料等の研究開発、製造、販売
日本ゼオン株式会社のサイトはこちら

「大地の永遠と人類の繫栄に貢献する」日本ゼオン

日本ゼオン株式会社は、創業73周年の歴史を持ち、1959年に日本で初めて合成ゴムの量産化に成功して以来、独創的な技術により各種合成ゴム、合成ラテックス、熱可塑性エラストマーを次々と開発しました。また、新たな分野として高機能樹脂、電子材料、リチウムイオン二次電池材料などの高機能材料の製造・開発にも挑戦しています。今後も経営理念の「大地の永遠と人類の繫栄に貢献する」を使命とし、「持続可能な地球」と「安心で快適な人々のくらし」に貢献すべく、事業活動を続けています。

日本ゼオンの中期経営計画

―― 日本ゼオンの中期経営計画 ――

Excelに宝の山が埋もれている

デジタル統括推進部門 部門長 長谷部宏氏

―― デジタル統括推進部門 部門長 長谷部宏氏 ――

「現場で得られるデータは競争力の源ですが、その多くがExcelの中に埋もれていて活用できていません」

今後、AIなどを使って会社の競争力を高めていくには判断の基礎となるデータが必要です。しかし、オフィス内の多くのデータはExcelを使ってバラバラなやり方で管理されているので、うまく活用できていないのが現状です。では、データベース化しましょうと言っても、いきなり立派なデータベースが作れるわけではありません。まずは半径2メートル内の手が届く範囲にあるデータから着手しています。Excel、紙などさまざまな形式で保管されているデータを入力するツールとしてForguncyを採用しました。

アジャイル開発推進室 細井あや氏

―― アジャイル開発推進室 細井あや氏 ――

「DX部門では、2030年までの中期計画を策定し、ビジネスモデルの変革を目指します」

DX部門では、2030年に向けて次の図にある目標を掲げて活動しています。大きく言うと、データ基盤の整備とDX人材の育成、データ駆動型経営、ビジネスモデルの変革を目指しています。そのために必要なITインフラとシステムの構築を行います。Forguncyを使ったデータベース化は、この計画の第1歩です。

日本ゼオンの中期経営計画

―― DX部門の中期計画 ――

データが足りない

デジタル戦略企画部 ビジネスマネジメントグループ 細井悠貴氏

―― デジタル戦略企画部 ビジネスマネジメントグループ 細井悠貴氏 ――

「マテリアルズ・インフォマティクスなどのデータを活用して材料開発を加速化する取り組みが、データベース化を進めるきっかけです」

弊社では、活用できる形式のデータが基幹システムの中にしかありませんでした。それ以外のデータはExcel、紙、FAXなどに分散していました。Excelのデータフォーマットもバラバラでした。以前は、それが当然という意識だったのですが、最近になって重要性を増してきた取り組みがマテリアルズ・インフォマティクスです。これは、材料科学データベースを使って、新しく開発する材料の特性をシミュレーションし、目標性能を実現できる可能性のある材料を実際に合成して、性能評価するというものです。研究者の知識と経験に基づいて、材料を選択し、合成して、評価するという従来の取り組みに比べて実験回数が少なくなり、材料開発を格段に加速できます。

マテリアルズ・インフォマティクスが広がる中で弊社でも取り組みを始めた部署はありましたが、多くのケースで必要なデータがデータベース化されてはいなかったため、都度データを整えるなどのハードルが存在していました。同業他社のニュースリリースなどが数多く発信されていたこともあり、データ活用のためのデータマネジメントを行う機運が弊社内でも高まり、研究所を中心にデータベース化を推進していくきっかけとなりました。

いきなり立派なデータベースを作るのではなく、半径2メートル内の手が届く範囲からデータベース化を進めるにはどうするか。最初に手を付けたのは、DX部門のメンバーが研究所に行って現場メンバーといっしょにデータベースを設計することでした。業務フローに合わせたデータベースを設計することはできたので、次にデータを貴重な財産として活用できるデータベースを自分たちで構築しようと考えました。

データベース化を始めた時点の研究所では、次のような状況が見られました。

  1. 流行の機械学習を試してみたいが、データがまとまっていない。
  2. Excelのデータフォーマットが各人ごとにバラバラ。
  3. 過去の実験記録が見つからない。
  4. 手作業に頼った実験データ記録。

このため、「入力アプリ→データベース→出力・分析アプリ(BIなど)」という形式のデータマネジメントシステムを作ろうとしたのですが、データ形式がバラバラだったため、必要なデータをくまなく入力できる入力アプリが必要となりました。現場メンバーが使いやすく、変更もできる製品を探したところ、Forguncyにたどり着きました。

伴走型支援で導入をサポート

Forguncy導入当初は、使いやすいという声が聞こえていましたが、実際にはなかなか使ってもらえませんでした。データベース作成をサポートしようにも人手が足りなく、手が回らなかったので、ベンダーに入ってもらって教育、普及を進めることにしました。Forguncy開発元のメシウス株式会社(以下、メシウス。旧グレープシティ株式会社)に相談したところ、製造業を得意とするトーテックさんを紹介してもらい、弊社の現状を話したうえで支援方法を提案していただきました。

産業システム事業部 西日本システム部 部長 西村幸夫

―― 産業システム事業部 西日本システム部 部長 西村幸夫 ――

「内製化を進めるために、教育と合わせて開発もする伴走型の支援を提案しました」

メシウスさんからご紹介いただき、弊社内で検討したところ、次のような要件が浮かび上がりました。

  1. Webアプリの内製化を進めるには教育が重要。
  2. しかし、いくら教育しても、動くWebアプリができなければ、成果にはつながらない。
  3. 日本ゼオン様内で開発がむずかしい場合は、弊社で開発することが望ましい。

こういった要件から、弊社から一方通行で支援を行うのではなく、お客様と協力しながら進める伴走型の支援方法を提案しました。日本ゼオン様の場合は、まず教育でForguncyの使い方を覚えていただいたうえで、どういうシステムが必要かを現場の方と話し、作成したプロトタイプを見ながら意見交換して、完成度を高めていくというスタイルがうまくはまったと思います。

伴走型支援の提案内容

―― 伴走型支援の提案内容 ――

産業システム事業部 西日本システム部 第1グループ 三澤行輝

―― 産業システム事業部 西日本システム部 第1グループ 三澤行輝 ――

「教育とプロトタイプ開発でForguncyのスキルアップに成功しました」

Forguncyの教育と開発支援を担当しています。教育では、簡単なWebアプリを作りながら使い方を勉強しています。これまでに教育を受けられた方は60名ほどになり、この方たちが中心となって現場でWebアプリの導入を進めています。しかし、単に教育を受けただけでは使えるWebアプリを作ることはむずかしいので、要件をヒアリングしたうえでプロトタイプを作成し、現場の方と協力してブラッシュアップしています。動くプロトタイプを見ると、ここをこうしたい、こういったWebアプリが欲しいという要望が出るので、データ活用が進んでいる手ごたえがあります。Forguncy教育を通じて自分自身のスキルも向上していますので、教育内容もアップデートしたいと思っています。

教育・開発・支援についてのWeb研修風景

―― 教育・開発・支援についてのWeb研修風景 ――

デジタル戦略企画部 ビジネスマネジメントグループ 細井悠貴氏

―― デジタル戦略企画部 ビジネスマネジメントグループ 細井悠貴氏 ――

「トーテックさんが伴走者として弊社内に入ってくれたのは、Forguncyが浸透した要因の1つです」

当初、トーテックさんに期待していたことは、自分たちには荷が重い教育をまかせたうえで、内製がむずかしいWebアプリの開発をフォローしてもらうという2点でした。教育を行ってもForguncyを使ってもらえるようになるかは不安でしたが、トーテックさんの教育と開発を体感すると、現場も納得してForguncyを使ってくれるようになりました。

最初の開発案件では打ち合わせから1~2週間で動くプロトタイプが出てきて、その後、研究者からの少しむずかしい要望も反映していただきました。実際に動くプロトタイプを見ながら議論できる点が大きかったと思います。仕様書を見ながらの議論では実際に使った感じがつかめませんが、プロトタイプがあれば、開発に不慣れな研究者でも具体的に意見を言えますし、言った意見がすぐ反映されるので、現場メンバーの期待が高まりました。この流れに乗って、なんとか内製も行けるのではないかと思えるようになりました。

トーテックさんが伴走者としてしっかりと弊社に入っていただいたことは、Forguncyが社内に浸透した要因の1つです。提案をきちんと実行していただいたことはもちろんのこと、従来のウォーターフォール型とは違って、プロトタイプを作って評価するアジャイル的な方法でもWebアプリが開発できるとわかり、開発についての不安が払拭されたことはうれしい誤算となりました。とは言え、いつまでもトーテックさんに頼ってばかりもいられないので、今では社内のタスクチームでも一部の教育、開発を行えるようになっています。

全社へ展開

デジタル戦略企画部 ビジネスクリエーショングループ 追中千晶氏

―― デジタル戦略企画部 ビジネスクリエーショングループ 追中千晶氏 ――

「Forguncy開発案件数は、目標を大幅に上回っています」

現在、タスクチームで把握しているWebアプリ開発案件は、研究所だけでなく工場と本社を合わせて30件ほどあります。2023年4月からの取り組みで、当初の目標は10~15件だったので目標を大幅に超えています。また、教育を受けてForguncyを使うスキルを持っている社員は、全社で60名ほどに増えています。

アジャイル開発推進室 細井あや氏

―― アジャイル開発推進室 細井あや氏 ――

「Forguncy導入を全社向けに発信した結果、開発案件が増えています」

研究所だけでなく、工場や本社でも開発案件が出てきているので、私たちから全社への発信はできていると思います。Forguncyを使ってデータベースを作りたいという部署は、まずタスクチームに申請を出してもらいます。その後、次のようなフローで教育と開発を進めています。

データベース化を行う際のフロー

―― データベース化を行う際のフロー ――

デジタル戦略企画部 ビジネスマネジメントグループ 山野寛子氏

―― デジタル戦略企画部 ビジネスマネジメントグループ 山野寛子氏 ――

「工場にも紙やExcelで行っていた業務を効率化したいというニーズが多くあります」

工場では、紙やExcelで管理していたデータをデータベース化して、誰でも簡単に扱えるようにすることが求められています。例えば、工場に車で通勤する社員の自動車保険の内容をデータベース化し、期限切れを防止するWebアプリができあがっています。また、製造現場で使う検査装置の測定結果、装置の状態などもスマホやタブレットで記録できるようにして、データを蓄積し、分析に役立てたいと思っています。全国に6つある工場のうち4工場でForguncyを使っているので、評判が全工場に広がるのは時間の問題でしょう。

次のステップはDX人材の育成

アジャイル開発推進室 細井あや氏

―― アジャイル開発推進室 細井あや氏 ――

「会社のDX化を推進する人材を育成することに挑戦します」

Forguncyが社内に普及して、いろいろな部署からForguncyを使ってみたいと相談を受けるようになりました。相談内容をきちんと聞く時間を効率的に確保することと、現場メンバーといっしょになって課題を解決する姿勢を示すことが必要になるので、タスクチームを作って組織的に対応できることは大きな意味があると思います。

弊社のDX化をさらに進めるためにより多くのDX人材が必要です。今後は、トーテックさんから教育を受けたメンバーがコアのDX人材となり、次の世代のDX人材を育てるというサイクルを作りたいと思っています。

管理本部 デジタル統括推進部門 デジタル戦略企画部 ビジネスクリエーショングループ グループ長 追中千晶氏

―― デジタル戦略企画部 ビジネスクリエーショングループ 追中千晶氏 ――

「Forguncyの導入は、今後のDX化を担う人材を育成するトリガーです」

Forguncyを使うことで、データベース構築ができ、業務の効率化が実現できます。同時に、教育と開発を通して、業務をシステム化して効率化するマインドを持った人材を育成しています。部署の異動があり、これまでとは違う業務を担当したときにどうすれば効率化できるか、どういうシステムを作ればいいのかを考えることのできる社員を増やすことが会社の価値を高めることにつながります。

トーテック担当者のコメント

産業システム事業部 首都圏営業部 風間淳

―― 産業システム事業部 首都圏営業部 風間淳 ――

「今後もWebアプリの内製化を支援します」

弊社でForguncy導入・運用を支援しているお客様は30社ほどありますが、その中でも日本ゼオン様はかなりForguncyを活用して、Webアプリの内製化を進めていらっしゃいます。Forguncy自体はツールですので、どんどん活用してBPRを進められるよう弊社も支援していきます。

取材日:2023年11月1日
記載の担当部署は、取材時の組織名です。

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