モノリシック型ERPに限界を感じている製造業の皆様へ ──ポストモダンERPという新たな選択肢

目次
1.はじめに:ERPの「限界」を感じていませんか?
製造業においてERP(統合基幹業務システム)は、業務の効率化や情報の一元管理に欠かせない存在です。
しかし、従来のモノリシック型ERPに対して、次のような課題を感じている方も多いのではないでしょうか?
- カスタマイズに時間とコストがかかる
- 業務の変化にシステムが追いつかない
- 一部の機能変更が全体に影響する
- ベンダーに依存してしまい柔軟性がない
こうした課題に対し、注目されているのが「ポストモダンERP」という新しいアプローチです。
2.ポストモダンERPとは?──柔軟性とスピードを両立する次世代型ERP
ポストモダンERPとは、従来の一体型ERPとは異なり、必要な機能をモジュール単位で組み合わせて構築する柔軟なERPアーキテクチャです。
Gartnerが提唱したこの概念は、変化の激しいビジネス環境に対応するために生まれました。
特徴としては、大きく分けて以下の4つが挙げられます。
- モジュール型構成:会計・生産・在庫・人事などを個別に導入可能
- API連携:他のSaaSや業務アプリとスムーズに接続
- 段階的導入:スモールスタートが可能で、リスクを抑えられる
- クラウドネイティブ:最新のクラウド技術に対応し、保守性も高い
3.モノリシック型ERPとの比較
モノシリック型ERPとポストモダンERPの違いを比較してみます。
比較項目 | モノシリック型 | ポストモダン型 |
---|---|---|
構成 | 一体型 | モジュール型(疎結合) |
柔軟性 | 低い | 高い |
拡張性 | 制限あり | 業務に応じて自由に追加可能 |
カスタマイズ | 高コスト・長期間 | 低コスト・短期間 |
ベンダー依存 | 高い | 低い(複数ベンダー連携可能) |
システム構成の面では、モノシリック型が1つのシステムとして一体化しているのに対し、ポストモダン型は様々なシステムやクラウドサービスを疎結合した構成となっています。
柔軟性の面では、ポストモダン型の方が高いと言えます。
理由としては、上記でお話したように、疎結合した構成の為、部分的な変更や改修が容易だという点が挙げられます。
拡張性の面でも同じ理由で、業務に応じて新たなシステムを連携して追加することが容易だと言えます。
カスタマイズという面では、モノシリック型の場合、一体型のシステムを多くのスクラッチ開発などでカスタマイズしていくため、通常、高コストで長い期間を要する場合が多くみられます。
しかし、ポストモダン型であれば段階を分けて、部分的にカスタマイズしていくことが可能で、尚且つモノシリック型に比べてスクラッチ開発を多く必要としない為、低コストかつ短期間でカスタマイズが可能です。
そして、ベンダー依存という面では、1つの一体化したシステムとなるために、1つのベンダーに依存して委託するモノシリック型に比べ、ポストモダン型は連携しているシステム毎に複数ベンダーへ委託する、もしくはノーコードツールなどを利用して一部を内製化することもできるため、ベンダーへの依存度が低いと言えます。
4.製造業におけるポストモダンERPの導入メリット
製造業において考えますと、以下の4つのメリットが挙げられます。
1. 生産現場の変化に即応できる
製造ラインの変更や新製品の追加など、現場の変化に合わせてシステム構成を柔軟に変化させていくことができます。
2. 部門ごとの最適化が可能
営業・生産・物流など、部門ごとに最適なツールを選定し、全体を統合することで、全体最適化することができます。
3. DX(デジタルトランスフォーメーション)推進に最適
IoTやAI、BIツールとの連携が容易で、データドリブンな経営判断を支援します。
4. コストとリスクの最小化
必要な機能から段階的に導入できるため、初期投資を抑えつつ、失敗リスクも軽減したシステム導入が可能です。
5.導入時の注意点と成功のポイント
ここまでポストモダン型のメリットをご紹介しましたが、導入に際しては注意すべき点もございます。
ポストモダンERPは柔軟性が高い反面、設計や運用に一定の知見が必要です。導入を成功させるためには以下のポイントを押さえることが需要です。
- 業務プロセスの可視化と整理
- 段階的な導入計画の策定
- 社内のITリテラシー向上
- 信頼できるベンダーとの連携
システムを導入したものの、その後の運用がままならないとならないよう、業務プロセスを可視化し、その後の運用を見据えた最適解を、信頼できるベンダーと一緒になって導き出していくという事が成功の秘訣だと考えます。
まとめ:変化に強い製造業を目指すなら、今こそポストモダンERPへ
モノリシック型ERPの限界を感じているなら、ポストモダンERPは有力な選択肢です。
特に製造業のように現場の変化が激しく、柔軟な対応が求められる業種において、その効果は絶大です。
「今のERPではもう限界かもしれない」と感じている管理職の方へ──
ポストモダンERPは、業務の進化とともに成長できるシステムです。

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