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技術支援による自社開発での生産スケジューラ(生産計画システム)導入の難しさ

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技術支援による自社開発での生産スケジューラ(生産計画システム)導入の難しさ

本ブログでは、技術支援による自社開発での生産スケジューラ導入の難しいポイントを紹介します。
※技術支援とは、生産スケジューラAsprova導入支援ベンダーによる技術支援

導入支援と技術支援での役割の比較と作業内容について解説します。
※支援なしの完全自社導入は当ブログでは対象外
なお、本ブログは生産スケジューラパッケージ「Asprova」の導入を前提とした内容となります。

生産スケジューラ(生産計画システム)に関する資料をダウンロードできます

技術支援での難しいポイント

技術支援での難しい内容は以下の通りです。

      • システム導入における担当者のスキルアンマッチがある
        • ITの基礎知識を保有していない(ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク、セキュリティ、データベース等)
        • プログラミングの開発経験がない(条件分岐、ループ処理、データI/O等)
        • e-ラーニング、ヘルプ、ナレッジセンターなどを活用し、パッケージの製品知識を理解していない(製品知識:フォワード、バックワード、製造BOM、段取り、ディスパッチングルール、資源評価、自動補充、データ入出力等)
      • システムに必要な要件・制約条件を洗い出せない
      • 無理に計画の自動化へ進み、頓挫してしまう
      • 自社に合わせた新しい計画方針をまとめることが出来ない
      • 自社システムと関連する業務を理解していない
        • 点在しているデータをまとめて、データを加工することができない
      • 運用サイクルを加味した機能実装が出来ない
      • 不具合の原因徳的および対応内容を検討することが出来ない
      • プロジェクト管理が出来ない(例:コスト管理、要員管理、品質管理、進捗管理、リスク管理)
        • システム導入の目的に沿ったプロジェクトを推進出来ない(例:優先度設定、スコープ設定)
        • WBSや作業内容から全体スケジュールを正確に立てることが出来ず、いつ本稼働できるのか分からない
        • 必要に応じて、関連部門(製造部、購買部、営業部等)との折衛を取りまとめることができない

システム導入プロジェクトへ参画した経験がない方は、上記ポイントのいずれかで躓く傾向があると考えます。技術支援でのプロジェクトを立ち上げる際には上記のポイントを理解してからプロジェクトを開始することをお勧めします。

技術支援のメリット

技術支援での導入は難易度が高いと考えられますが、メリットもございます。
下記、技術支援のメリットを紹介します。

メリット

・システムベンダーの支援費用を抑えることが出来る

・導入スケジュールをシステムベンダーに合わせることなく進められる

・システムベンダーの支援費用を抑えることができる
導入支援より、技術支援のほうがコストを抑えることが出来ます。技術支援はユーザの依頼を受けてシステムベンダーが問い合わせ対応やデモ機能を作成するため、システムベンダーは必要最低限の作業のみ行います。ただし支援費用を抑えるのは、前章で紹介した難しいポイントを解消できる前提となります。解消が難しい場合、最終的に技術支援費用が導入支援費用より上回るケースもございます。

・導入スケジュールをシステムベンダーに合わせることなく進められる
システムベンダーとスケジュール調整が必須ではないため、自社のみで導入プロジェクトを進めて行くことができます。自社次第でスケジュールを短期間で実施することも可能です。

 
技術支援は導入支援と比較して、費用を抑え、自社のペースでスケジュールを決めて導入を進めらます。ただし自社のプロジェクトチームで前章の難しいポイントを解消できる前提となるため注意が必要です。

支援形態の違い~技術支援と導入支援~

生産スケジューラを導入する際には、技術支援と導入支援の大きく2つの支援形態があります。
技術支援と導入支援を比較して紹介します。

【技術支援】
ユーザが主体で本稼働までシステム導入作業を実施します。システムベンダーはユーザーからの問い合わせ対応や必要に応じてデモ機能作成を担当します。
【導入支援】
システムベンダーが主体で要件定義~本稼働までの支援を実施します。ユーザは主に現状業務の説明やデータ提示、システムの評価を行います。

両支援内容から各作業の役割を図1に記載します。

 

図1:支援内容の比較表

汎用)
・〇:作業を主体で実施します。
・問い合わせ対応:ユーザからの質問に対して、ベンダーは回答します。
・概要理解:生産スケジューラの場合、どういった流れで自動計画立案を行っているか理解すると打合せが会議をスムーズに行えます。
・評価:主体側が実施した作業に対して、誤りがないかチェックします。

以下、作業内容について記載します。
※1 目的や費用対効果、ツール選定、プロジェクト開始前の作業は割愛する
※2 生産スケジューラを軸とした内容のため、非機能要件や詳細などについて割愛する

<作業内容>

パッケージの理解

  • 自動計画の内部処理を理解する
  • Asprova内のデータ構造を理解する

システム要件の整理

  • 現状業務を明確にする
  • 現状業務を分析する
  • 現状業務からシステム化する範囲を決める
  • システム化への実現可否を検討する
  • 生産計画立案の流れをまとめる
  • システムのインプットとアウトプットを定義する
  • システムのレスポンスを試算する

機能設計

  • 自動計画の計画方針を作成する
  • マスタとトランザクションのデータレイアウトを設計する
  • 自動計画の結果から手動調整する内容をまとめる
  • 他システムとのインターフェースを設計する

Asprovaのカスタマイズ

  • データ入出力定義を設定する
  • 必要なマスタ項目を追加する
  • 計画パラメタを作成する

データ整備

  • マスタデータを準備する
  • トランザクションデータを準備する

生産計画の評価

  • 既存の生産計画と比較して評価する
  • 運用のケースに沿った評価をする(特急対応、実績遅れ、新規品目追加など)

受入テスト

  • 決定した機能が想定した動作となっているか確認する
  • 操作説明書を作成する

運用テスト

  • 既存計画からデータ移行を実施する
  • 実業務に近い運用を想定したテストを行う
  • 場合によっては並行稼働を実施する
  • 運用マニュアルを作成する

運用

  • システムの運用を開始する

技術支援はシステム導入における作業をユーザが主体となって実施します。

まとめ

本ブログを読んで、技術支援と導入支援、どちらが良いと感じましたか。 弊社では、ユーザのスキル習熟に時間が掛るため、導入支援による導入を推奨しています。
生産スケジューラ導入において支援内容や導入方法で迷っていれば、まずは弊社までご相談いただけると幸いです。
その他よくある失敗例などは、下記のブログをご確認ください。
生産スケジューラ(生産計画システム)導入で失敗しないための8つのポイントを読む

筆者
プロフィール

松岡 慶佑 Keisuke Matsuoka
経歴:
入社後から現在まで生産スケジューラの導入及び運用支援に携わっている。
また他システムの導入にも携わっており、他システムと生産スケジューラとの連携を得意としている。
アスプローバ株式会社が認定する「シニアAPT認定」を保有。
趣味はゴルフであるが、何年経っても実力は未知数のままである。

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