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印刷系製造業における生産スケジューラ(生産計画システム)導入について

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印刷系製造業における生産スケジューラ(生産計画システム)導入について

印刷系製造業における生産計画とは

印刷系の製造業では、以下のような制約条件を加味しながら、効率的かつ実行可能な生産計画を立案する必要があります

  • エージング時間の確保
  • 版やインキの型替え時間
  • グラビア印刷機のストレート印刷と振分け印刷の切り替え
  • 原反(原紙、フィルム)の納入日の考慮
  • 版入り日の考慮

生産スケジューラ(生産計画システム)での印刷系制約事項の対応事例

生産スケジューラには、様々な制約条件に対応するための有効な機能があります。
印刷系制約事項に合わせて紹介致します。

エージング時間の確保⇒重なりMIN

重なりMINは工程間の時間の下限を設定する機能です。エージング時間を重なりMINに設定することにより、
エージング時間を確保した上で次の工程の計画を立案することが可能です。

エージング時間の確保⇒重なりMIN

版やインキの型替え時間⇒前後依存段取り

前後依存段取りは前後の計画内容を比較し、条件に応じて段取り時間(型替え時間)を算出する機能です。
版の型替え本数やインキの入れ替え数に応じた時間を設定しておくことにより、計画した結果に応じて段取り時間を設定することが可能です。

前後依存段取

(②の計画を印刷Aから印刷Bへ計画を手動で調整した場合)

前後依存段取

グラビア印刷機のストレート機と振分け印刷の切替え⇒副資源

副資源はメインで製造する設備とは別に人や治具などを考慮する機能です。
ストレート機と振り分け機の使用条件を設定しておくことにより、ストレート機と振分け機の制約を加味した計画を立案することが可能です。

グラビア印刷機のストレート機と振分け印刷の切替⇒副資源

原反(原紙、フィルム)の納入日の考慮or版入り日の考慮⇒最早開始日時

最早開始日時は最も早く計画を立案しても良い日時を設定する機能です。
最早開始日時に原紙や版の納入日を考慮した日時を設定することにより、実行可能な計画を立案することが可能です。

最早開始日時

自動計画と手動計画(手動調整)の使い分け
~生産スケジューラ導入を失敗しないため~

生産スケジューラを導入するにあたり、お客様より『全て』の計画を自動で立案できるようにしたいと、ご要望をいただくことがあります。確かに『全て』の計画が効率的かつ実行可能な計画で立案できれば、これほど最良なものはないと思います。

ただし、現場への指示を行う小日程計画においては現実的に非常に難しいです。
なぜか、それは「人の判断が必要な要素」や「例外ケース」が発生しうるからであり、計画結果が計画担当者の望む内容と乖離してしまうからです。
結果どうなるかと言えば、マスタが複雑になって運用が煩雑になり、結局人の手によって対応する必要が出てくるため、生産スケジューラを使わなくなってしまいます。

『全て』の計画を自動で立案できないのであれば、どのように生産スケジューラを導入したら良いか。
それは自動で計画すべき内容と手動で計画すべき内容を切り分けて適応することです。

【自動で計画すべき内容】
計画担当者が決まったルールの中で事務的に計画を立案するもの

【手動で計画すべき内容】
計画担当者が複数の情報から判断しながら計画を立案するもの
外的要因によって、計画結果が変わるもの

印刷系の製造業で、よくある外的要因は、印刷立会いの日程だと思います。
事前に決まっている、決まっていないに関わらず、指定された日程で計画は可能か。計画が埋まっている場合、他の計画の調整は可能か。他の日程に変更できないか。など、生産スケジューラの中では収まらず、生産スケジューラの外にまで渡って対応しなければなりません。

生産スケジューラ(生産計画システム)で最適な計画を求める機能紹介
~AIを活用した生産計画について~

印刷系の製造で、製造効率を高める場合、求められるのは『型替え時間が短く』かつ『納期遅れが少ない』ことだと思います。生産スケジューラの機能の中には、膨大なスケジューリング結果から、最適解を提示するSolver(ソルバー)という仕組みがあります。Solver(ソルバー)とは、AIで生産計画を最適化する生産スケジューラAsprovaのオプション機能です。「納期遅れが少ない」、「製造効率が良い」などスケジューリング結果に対する評価ポイントを事前に設定しておくことで、膨大な計画結果を評価した上で最適な計画パターンを提示します。

Solverの詳細はこちらをご覧ください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は印刷系製造業の対応事例を交えつつ、生産スケジューラの導入方針をご紹介しました。生産スケジューラ=自動計画のイメージが強いと思いますが、『全て』の計画を自動化させないといけないわけではありません。生産スケジューラは計画担当者の作業効率を高めてくれる1つのツールです。最も効率よく作業できる方法を見極めながら検討することで、生産スケジューラ導入を成功へと導けると考えております。

弊社では、印刷系製造業様への導入実績が多くあります。
生産計画業務における課題解決に向けて、システム構築によるご支援をしておりますので、生産計画業務効率化に向けたシステム検討の際は、是非ご相談下さい。

筆者
プロフィール

畑原 祐司 Yuji Hatahara
経歴:
入社後1年目はWEB開発、2年目~5年目は経営情報システムの運用保守を経験。
その後、生産スケジューラに携わり約6年。
現在は関西圏を中心にプロジェクトリーダとして活躍する。
印刷系製造業への導入支援を得意とする。
アスプローバ株式会社が認定する「シニアAPT認定」を保有。
趣味はゲームで、特にポケモンをこよなく愛する。現在は親子2世代でポケモンを楽しんでおり、いずれは親子3世代でポケモンをやることを夢見ている。

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