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会計システム導入の検討ポイントと選び方ーSaaS型 vs カスタマイズ型ー

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会計システム導入の検討ポイントと選び方ーSaaS型 vs カスタマイズ型ー

連載テーマ「会計システムを導入・更新する前に気を付けること」

    1. Vol.1 会計システムの更新起点と勘定奉行クラウド導入による改善ポイント
    2. Vol.2 会計システム導入の検討ポイントと選び方ーSaaS型 vs カスタマイズ型ー
    3. Comming Soon...

 

決算の迅速化、法改正への確実な対応、グループ会社や多拠点の統合管理――会計システムは企業運営の土台です。製造業では原価計算や在庫評価、購買・生産管理との連携が欠かせませんが、業界固有の要件に引っ張られ過ぎるとシステムが重くなり、更新コストが膨らみます。

本稿では、SaaS型(クラウド)カスタマイズ型(オンプレ/独自開発)を比較し、導入の検討ポイントと「どんな企業にどちらが向くか」を具体的に示します。

1.なぜ今、会計システムの見直しが必要か?

企業経営において、会計システムは単なる経理ツールではなく、意思決定の基盤です。
特に製造業では、原価計算や在庫評価、購買管理との連携が不可欠であり、システムの選択は業務効率と経営スピードに直結します。

近年、会計システムの見直しが急務となっている背景には、以下の要因があります。

  • 法改正対応の複雑化:電子帳簿保存法、インボイス制度など、制度変更が頻繁に発生。
  • DX推進とクラウド化の流れ:リモートワークや多拠点管理に対応するため、クラウド基盤が求められる。
  • グローバル化と連結決算の重要性:海外拠点やグループ会社とのデータ統合が必須。

こうした変化に対応するため、企業は「SaaS型(クラウド)」か「カスタマイズ型(オンプレミス・独自開発)」のどちらを選ぶかという重要な判断を迫られています。

特に製造業では、会計システムに求められる要件が他業界より複雑です。

  • 原価計算の精緻化:材料費、加工費、間接費を正確に配賦する必要がある。
  • 在庫評価と棚卸管理:製品・部品・原材料の在庫をリアルタイムで把握。
  • 購買・生産管理との連携:仕入・発注・製造指示のデータを会計に反映。
  • 多拠点・海外工場の統合管理:異なる通貨・税制への対応。

これらを満たすため、システム選定では「標準機能でどこまで対応できるか」「追加開発が必要か」を見極めることが重要です。

2.会計システム導入における5つの検討ポイント

会計システムの導入は、単なるツール選びではなく、企業の業務効率化やガバナンス強化に直結する重要な意思決定です。
ここでは、どのタイプのシステムを選ぶかに関わらず、導入時に押さえておくべき5つの視点を整理します。

1.費用構造(初期費用+ランニングコスト)
導入はゴールではなくスタートです。検討時には、初期費用(設定・教育・データ移行など)と、ランニングコスト(保守・アップデート・ライセンス料など)を総合的に把握しましょう。
特に、長期的な運用を見据えたトータルコスト(TCO)の試算が重要です。初期費用が低くても、保守や追加機能でランニングが膨らむケースもあります。
逆に、初期投資が大きくても、運用負荷が低ければ長期的には費用が抑えられるケースもあります。

2.法改正・制度変更への対応スピード
会計システムは、税制改正や電子帳簿保存法、インボイス制度など、頻繁な制度変更に対応する必要があります。
導入前に確認すべきポイントは、法改正対応の仕組みとスピードです。アップデートが自動で提供されるのか、個別対応が必要なのか、追加費用が発生するのかを明確にしましょう。
制度対応が遅れると、業務停止やコンプライアンスリスクにつながります。

3.セキュリティと可用性(
BCP対応)
会計データは企業の重要情報です。システム選定では、セキュリティ対策(暗号化、アクセス制御、監査ログ)と、可用性(障害時の復旧、災害対策)を必ず確認しましょう。
特に、複数拠点や海外拠点を持つ企業では、データの冗長化やバックアップ体制、障害時の復旧時間(RTO)が重要です。BCP(事業継続計画)に沿った設計ができるかどうかも評価ポイントです。

4.業務適合と拡張性・柔軟性
会計システムは、単独で動くだけでなく、販売管理・購買管理・人事給与など周辺システムとの連携が求められます。
導入前に確認すべきは、標準機能でどこまで業務に対応できるか、追加機能や連携の柔軟性です。API連携やアドオン対応が可能か、将来的な拡張に対応できるかを見極めましょう。業務プロセスをシステムに合わせるのか、システムを業務に合わせるのか、その方針も重要です。

5.運用体制と導入スピード
システム導入後の運用体制も検討ポイントです。保守・アップデートを誰が担うのか、障害対応の窓口はどこかを明確にしましょう。
また、導入スピードも重要です。要件定義から稼働までの期間が長すぎると、制度変更や業務環境の変化に追いつけなくなるリスクがあります。短期導入が可能か、段階的なスモールスタートができるかも確認しましょう。



SaaS型とカスタマイズ型の違い

会計システムを導入する際、企業が良く直面する選択肢が「SaaS型(クラウド)」と「カスタマイズ型(オンプレミスや独自開発)」です。
この2つは、提供形態や運用方法が大きく異なり、それぞれに特徴と適した利用シーンがあります。
ここでは、両者の基本的な考え方と特徴を整理し、導入検討の参考になる情報をまとめます。

SaaS型(クラウド)
クラウド上の会計ソフトをサブスクリプションで利用。法改正・機能改善・セキュリティ更新をベンダーが継続提供するため、常に最新の状態を維持できます。
初期はアカウントと基本設定、マスタ整備、データ移行が中心で立ち上げが早く、周辺システムとのAPI連携により、売掛・買掛、在庫、経費精算、人事給与までシームレス運用へ拡張可能です。
弱点は、画面やロジックの深い作り込みが制限される点や、運用設計・権限設定・ワークフローで標準機能を上手く活かす設計力が重要です。

カスタマイズ型(オンプレ/独自開発)
自社要件を反映した専用システム。原価計算の独自ルール、複雑な承認フロー、特殊なレポートなどを完全再現でき、閉域網/オフライン運用、工場ネットワークなどインフラ要件にも合わせやすいです。
反対に課題を挙げると、初期費用が大きく導入が長期化する点や、制度改正・セキュリティ更新が都度プロジェクトになることです。運用は内製力が前提で、人材の確保・育成が不可欠です。

比較表:メリット・デメリット

観点

SaaS型(クラウド)

カスタマイズ型(オンプレ/独自)

初期費用

低い。設定と教育中心

高い。設計・開発・環境構築

ランニング

月額課金で予算化容易

保守人件費・改修費大きめ

導入期間

比較的短い

比較的長い

法改正対応

ベンダー一括更新で迅速

個別改修で時間・費用増

セキュリティ/BCP

標準で冗長化・監視あり

設計次第。運用負荷高

カスタマイズ性

限定的(設定・拡張)

非常に高い(要件通り)

連携・拡張

APIで容易、SaaS連携豊富

都度開発が必要

多拠点・海外

有利(クラウド前提)

ネットワーク設計が課題

総合

変化対応とTCOに強い

独自要件の完全再現に強い

 

自社にフィットするシステムとは

上記でそれぞれの会計システムの特徴をご説明いたしましたが、どちらのシステムが適しているかは、企業の規模、業務の標準化度合い、ITリソース、法改正対応の重要度などによって変わります。
ここでは、一般的な傾向として「こういう企業にはこういうタイプが向いている」という目安を整理します。

SaaS型が向いている企業

  • 成長期の中小~中堅:投資を段階的にし、短期で価値を実感したい
  • 制度変更の影響が大きい:電子帳簿保存法・インボイスなどを自動更新で確実対応
  • 多拠点・海外拠点運用:クラウドで場所に依存せず統制が取りやすい
  • IT運用リソースが限られる:システム更新や法改正追従などを外部化してコア業務に集中
  • 周辺SaaSを併用:販売・購買・在庫・人事とのAPI統合を進めたい


カスタマイズ型が向いている企業

  • 業務が高度に特殊(原価計算や配賦ロジックがユニーク、承認が多段)
  • 閉域やオフラインが必須(工場・研究施設などネット制約環境)
  • 強い情報システム部門を持ち、保守・監査・改善を内製できる
  • 長期運用で独自仕様を資産化したい(他の基幹系と深く専用連携) 


〇意思決定のガイド(図解のポイント)
1.法改正対応は外部化したいか? → はい=SaaS
2.独自要件の比率は高いか? → 高い=カスタマイズ/低~中=SaaS
3.導入スピード重視か? → はい=SaaS
4.IT運用を内製できるか? → できる=カスタマイズ/難しい=SaaS
5.多拠点・海外が前提か? → はい=SaaS

まとめ:変化に強い「運用のしやすさ」を重視するならSaaS型

2020年代以降、制度改正・セキュリティ要件・働き方の変化は加速しています。更新と連携を前提にした運用設計こそが会計の競争力になります。予算化しやすく、アップデートと連携が容易なSaaS型は多くの企業で最適解になのではないでしょうか。
ただし、独自業務が競争優位そのものである企業は、コストと運用を理解したうえでカスタマイズ型を選ぶ価値もあります。重要なのは、標準化できる部分はSaaSで、特殊な領域は限定的に専用化する「ハイブリッド思考」です。

よくある質問(FAQ

Q1:クラウドでも十分なセキュリティがありますか?
A
MFA、暗号化、権限管理、監査ログ、冗長化などのベストプラクティスが一般的。ベンダーの監査報告(ISO27001SOC1/2)やデータ保管地域の方針を確認しましょう。

Q2:原価計算や在庫評価など製造要件はSaaSで対応できますか?
A
:多くのSaaS標準機能での対応が可能な部分はありますが、詳細な管理は生産管理システムなどの基幹システムとの連携・拡張で対応可能。極端な独自ロジックは専用化を検討。

Q3:段階的移行(スモールスタート)は可能?
A
:可能です。まずは月次業務の標準化から始め、レポートや連携を順次拡張するのが効果的。

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