生産管理システムを導入する時の予算とスケジュール

連載テーマ「生産管理システム導入の秘訣」
今回は、動かないシステムを導入しないための意思表示の3つのポイントのうち、「いくらでしたいか(予算)」と「いつまでにしたいか(カットオーバー時期)」について考えていきたいと思います。
第2回で、生産管理システムを導入する時の3つの要求について説明しました。 では、その3つの要求を実現するための費用とカットオーバー時期について説明していきます。
生産管理システム導入の予算
システムを導入するためには、SIベンダーに依頼することになります。その際、SIベンダー選定の判断材料のひとつとして“金額”があります。
当然システムに掛けることができる予算というのは、概算であれ決まっていると思います。
図1のようにメリット、デメリットもありますが、予算内で“動くシステム”を導入することが目的と考えます。
予算を提示すれば、SIベンダーはその予算内で提供できるソリューションを考えてくれると思います。但し、前提条件が付く可能性はあります。

図1 SIベンダーへ予算を提示するメリット・デメリット
図1にもありますが、ランニングコストが結構掛かるので、見落とさないようにしてください。
生産管理システム導入のスケジュール
・「生産管理システムを導入することは決めた。」
・「カットオーバー時期も決めた。」
カットオーバー時期を決めることは年月を決めるだけなので簡単なことです。しかし、カットオーバーを迎えるまでにはそれなりの時間が掛ります。
図2は私の経験値です。「5つのスケジュール策定要因」を考慮し、“いつまでにしたいか”を考える必要があります。

図2 導入スケジュール
実際には、提案依頼をする前に「どんなシステムにするか」を検討しなければなりません。2、3ヶ月は必要でしょう。
結論から言えば、今日、生産管理システム導入をきめたらシステム要件にもよりますが、カットオーバーは1~2年後になるということです。
それくらいの時間を掛けないと「動くシステム」は手に入らないと考えてください。
まとめ
今回は、生産管理システム導入時の意思表示としての3つのポイントのうち、「2. いくらでしたいか」、「3. いつまでにしたいか」について説明しました。
次回は、“動くシステム”を手に入れるための、業務要件について細かく見ていきたいと思います。
筆者
プロフィール
青木 勝義 Katsuyoshi Aoki
経歴:
生産管理業務に携わって約25年。こよなく生産管理を愛しており、生産管理システムTPiCS-Xの導入は約30ユーザ程となる。地域柄、自動車部品サプライヤーをはじめとする幅広い業種のお客様への生産管理システムの導入実績を持つ。
最近は社内の若手メンバーへの育成に力を入れており(社内の生産管理勉強会の講師として活躍)、若手メンバーの成長を日々の楽しみとしています。
休日は愛娘とジャニーズのイベントへ繰り出すことを楽しみとしており、恒例行事は、年末のカウントダウンイベントへの参加。名古屋から東京ドームまで車で繰り出している(イベント終了まで、ひたすら車で待機)
TPiCS認定指導員(メーカ認定)の資格を所有。

生産管理システム『TPiCS-X』
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