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生産管理システムを導入する時の契約形態

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生産管理システムを導入する時の契約形態


これまで、Vol1~Vol9のテーマで「生産管理システム導入の秘訣」について考えてきました。

採用する提案、SIベンダーを決めたら次に行うことは「SIベンダーとの契約」になります。
今回は契約にはどのような形態があるか、「動くシステム」を手に入れるためにどのようにプロジェクトを推進していけば良いかについて考えます。

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契約

SIベンダーが決まったら次に契約をし、生産管理システム導入プロジェクトが始まることになります。
この契約を誤ると後々大問題が発生する場合があります。
契約形態には、大きく分けると「請負契約」と「準委任契約」があります。

請負契約

請負契約とは、請負者が仕事を完成させる約束をして、請負者の仕事の完成に対して注文者が対価を支払うという契約となります。
請負契約ではSIベンダーは「完成責任を負う」ことになり、成果物に瑕疵があった場合は、「瑕疵担保責任を負う」ことになります。
イメージ的には、「工務店が家を建てる。」に似ています。

準委任契約

一方、準委任契約とは、「委託者が受託者に対して業務自体を委託する。」という契約となります。
SIベンダーは、「善管注意義務」を負うこととなります。

SIベンダーは、仕事自体の完成義務自体はないため、「瑕疵担保責任」を負いません。
イメージ的には、「医師の医療行為」に似ています。

システム開発のフェーズでいうと、要件定義は“準委任契約”、設計フェーズ以降は「請負契約」となるケースが一多いです。
請負契約と準委任契約の比較表です。

  請負契約 準委任契約
目的  システムの完成 業務の遂行
義務・責任  完成責任、瑕疵担保責任 善管注意義務
報酬請求時期 システムの完成・納品時点

業務が遂行された時点
※業務遂行の対価として報酬が支払われる。

成果物 

あり
※納品物であり納品義務がある。

 
契約解除の可否  可能 可能
下請け・再委託  原則可能 原則不可
※委託者が了承すれば可能

過去に私が関わった案件では、

・要件定義:準委任契約
・設計:請負契約
・開発:請負契約
・運用テスト:準委任契約

といった具合に、フェーズ毎に契約形態を変えるということもありました。
明確に成果物を定義できるフェーズは「請負契約」、協同作業、支援作業フェーズは「準委任契約」が理想であると考えます。

但し、「請負契約が理想」としたフェーズでも、準委任契約で行う場合もありますが、成果物に対する責任は問えないことを忘れてはいけません。

レビュー

下記はスケジュールの例です。

要件定義~カットオーバー時期

各フェーズ完了時にレビューを行うことは当然ですが、SIベンダーのみでの作業フェーズ(※上記スケジュールでは「カスタマイズ/アドオン開発」)は特に実物を確認する機会を設けることをお勧めします。

悪い例として、基本設計フェーズまでレビューを行ったにもかかわらず、カスタマイズ/アドオン開発フェーズに入り8ヶ月後に出来上がってきたシステムが「イメージしていたものとかけ離れていた。」という例があります。

Vol6.で「システムの導入は協同作業である。」と書きましたが、これを忘れずに進めていきましょう。

 

まとめ

最後に、「生産管理システム導入の秘訣」と題して、思うがままいろんな事を書いてきました。
生産管理システムのみではなく、システム導入時の参考にしていただければ幸いです。

「システム導入は、家を建てるのと似ている。」とよく言われます。
家を建てることを想像しながら、SIベンダーと“協同”で“動く生産管理システム”を手に入れてください。

筆者
プロフィール

青木 勝義 Katsuyoshi Aoki
経歴:
生産管理業務に携わって約25年。こよなく生産管理を愛しており、生産管理システムTPiCS-Xの導入は約30ユーザ程となる。地域柄、自動車部品サプライヤーをはじめとする幅広い業種のお客様への生産管理システムの導入実績を持つ。
最近は社内の若手メンバーへの育成に力を入れており(社内の生産管理勉強会の講師として活躍)、若手メンバーの成長を日々の楽しみとしています。
休日は愛娘とジャニーズのイベントへ繰り出すことを楽しみとしており、恒例行事は、年末のカウントダウンイベントへの参加。名古屋から東京ドームまで車で繰り出している(イベント終了まで、ひたすら車で待機)
TPiCS認定指導員(メーカ認定)の資格を所有。

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