生産管理システムを導入する時の業務要件No.2

連載テーマ「生産管理システム導入の秘訣」
『何をしたいか』※Vol.4の続き
今回は、SIベンダーから見た「As-Is、To-Beはこんな纏め方にしてほしい。」、「要求事項はこういう書き方をしてほしい。」についてです。
前回(Vol.4)では、As-Is、To-Be、To-Beの要求事項について何に着目しSIベンダーに伝えるべきかを考えてみました。
今回はその「伝え方」について考えていきたいと思います。
重要なのは、インプットとアウトプットです。皆さんが日々行っている仕事(作業)には、必ずインプットとアウトプットがあるはずです。インプット、アウトプットを意識してください。
また、情報の流れに伴い物も動いていく場面がありますので、意識しましょう。
As-Is(現状の姿、今の姿)
受注業務を例に挙げてみます。
- お客様からの注文を受ける
- 受注票に記入する
- システムがある場合 ⇒ 受注入力する
- システムがない場合 ⇒ EXCELに入力する
【システムがある場合】

【システムが無い場合】
◎各業務単位に記載することが望ましいですが、全体を見渡すことができるように1枚で記載しても構いません。
To-Be(あるべき姿、理想の姿)
◎仮に受注業務については現状のままであるなら、その旨を記載しましょう。
◎システム化する/しないにかかわらず、理想の姿があるなら伝えてください。他社事例を多く持っているSIベンダーならベストな解決策を提案してくれるかもしれません。
◎条件等は記述の必要がありますが、できるだけ図で表現すると伝わり易いです。
To-Beの要求事項を明確に
- メール、Web、EDIで取得した注文データを受注データとして取込みたい。※対象の得意先は1社であるが、今後増えることが予想される。
- 取込んだ受注の一覧表がほしい。
まとめ
As-Isを纏めることで気づく事は多々あります。データの重複入力、業務の抜け・漏れ、何のためにやっているか意味不明な仕事などもあぶり出されてくると思います。
To-Beでは、「あの人しかできない。」、「この人しかわからない。」、「誰が欲しているOutputなのかわからない。」を無くすことを考えて纏めてください。
今回は、生産管理システム導入時の意思表示としての3つのポイントのうち、「何をしたいか」についての補足説明をしました。
次回は、「システムの導入は協同作業である」について考えていきたいと思います。
筆者
プロフィール
青木 勝義 Katsuyoshi Aoki
経歴:
生産管理業務に携わって約25年。こよなく生産管理を愛しており、生産管理システムTPiCS-Xの導入は約30ユーザ程となる。地域柄、自動車部品サプライヤーをはじめとする幅広い業種のお客様への生産管理システムの導入実績を持つ。
最近は社内の若手メンバーへの育成に力を入れており(社内の生産管理勉強会の講師として活躍)、若手メンバーの成長を日々の楽しみとしています。
休日は愛娘とジャニーズのイベントへ繰り出すことを楽しみとしており、恒例行事は、年末のカウントダウンイベントへの参加。名古屋から東京ドームまで車で繰り出している(イベント終了まで、ひたすら車で待機)
TPiCS認定指導員(メーカ認定)の資格を所有。

生産管理システム『TPiCS-X』
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